米国ETF・仕組み商品
Eric Balchunas@EricBalchunas
DAILY MARKET DIGEST
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表は、景気後退が始まる何日前に株式市場がピークを付けたかを示しています。数字がすべてマイナスなのは、株価のピークが景気後退に先行したためです。1990年はイラクのクウェート侵攻と原油価格の400%上昇により11日後、2020年はパンデミックによる経済停止で17日後に景気後退へ入りました。数日以内に世界的危機が起きない限り、株式市場は景気後退まで少なくとも数か月ある可能性を示しています。
株価は景気統計より先に将来の利益悪化を織り込むため、通常は景気後退の開始前にピークを付けます。しかし、戦争やパンデミックのような外生ショックでは先行期間が極端に短くなります。現在の最高値を景気後退が近くない材料として使うなら、信用スプレッド、失業保険申請、企業利益予想も悪化していないかを併せて見る必要があります。また、景気後退を回避しても、バリュエーション調整だけで株価が下がる場合はあります。
新規失業保険申請件数は19万9,000件で予想の20万5,000件を下回りました。第2四半期の生産性は1.4%上昇し、予想の0.6%と第1四半期の0.8%を上回りました。単位労働コストは1.3%上昇で、予想の2.1%を下回りました。次の焦点は雇用統計と翌週のCPIです。
雇用が維持されながら生産性が上がり、労働コストの伸びが抑えられる組み合わせは、企業利益と物価安定の双方に好ましい状態です。生産性が賃金上昇を吸収できれば、企業は利益率を守りながら実質賃金を増やせます。ただし四半期の生産性は振れが大きく、失業保険申請も解雇の初期段階しか捉えません。雇用者数、労働参加率、時間当たり賃金と合わせ、数か月の傾向として確認する必要があります。
Amazon、Alphabet、Metaの3社だけで、2026年に入ってから投資適格社債を約1,700億ドル発行し、前年のテクノロジー企業全体の発行額を大きく上回りました。発行は続いており、Alphabetはこの日、さらに250億ドルの社債発行を検討しています。
巨大テックのAI設備投資は潤沢な営業キャッシュフローだけでなく、長期債によっても賄われ始めています。低コストで長期資金を確保できれば株主資本の希薄化を避けられますが、投資回収が遅れれば利払いと借換え負担が残ります。また、大量発行は投資適格社債市場の需給やスプレッドにも影響します。設備投資額だけでなく、フリーキャッシュフロー、純負債、利払い能力、AI事業の収益化まで追う必要があります。
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ドル建て株価が上昇していても、同じ期間に金価格がさらに上がれば、金を基準にした株式の価値は低下します。これは株高の恩恵と家計が感じる購買力が一致しない理由を考える一つの視点です。ただし、金建て評価は価値の基準を金へ置き換えた相対比較であり、株式の実質価値を一意に測るものではありません。消費者物価で調整した実質株価、実質賃金、保有資産別の家計格差も併せて見る必要があります。
売上高とEPSが予想を上回り、次期見通しや粗利益率も改善していても、株価が大きく下がることがあります。決算前の株価に、それ以上の上振れや供給不足の長期化が織り込まれていれば、良い数字でも利益確定が優勢になるためです。『決算が良いか』だけでなく、事前コンセンサス、株価上昇率、決算後に変化した将来利益予想を比較する必要があります。設備投資抑制が将来の供給不足を招かないかも重要な論点です。
DOEは純資産に対して一定割合を配当するため、単年度利益に連動する配当性向より配当額が安定しやすい一方、利益が伸びなくても配当負担が残る面があります。連続増配も、事業の安定性とフリーキャッシュフローが伴っているかが重要です。また、保有株の評価益が利益を左右する企業では、会計利益と本業の稼ぐ力を分けて見る必要があります。増配率だけでなく、還元方針、営業キャッシュフロー、自己資本の変化を確認したい決算です。
1年前のオール・カントリー型投信を基準にすると、現在の円で買える持分が少なくなったため、『投信が上がった』だけでなく『円の相対価値が下がった』とも表現できます。この視点は、元本保証と購買力の維持が別物であることを理解するのに有効です。ただし、1年間の投信価格には為替だけでなく世界株の利益成長やバリュエーション変化も含まれます。円の購買力を測るなら、物価、実質実効為替レート、複数資産との比較が必要です。
日本語訳
オートコーラブル型ETFのCAIEは、設定から1年以上にわたり60週連続で資金流入となりました。これまでに例がない可能性があります。資金は自然流入に見え、13Fで確認できる保有者は169主体、その保有分はETFの41%で、残りは個人投資家です。
解説
オートコーラブルは、一定条件を満たすと早期償還される代わりに利回りを得る仕組みで、横ばいから緩やかな上昇局面では魅力的に見えます。一方、上昇益が途中で打ち切られたり、急落時の損失を負ったりする非対称性があります。60週連続の流入は需要の強さを示しますが、商品の安全性を示す数字ではありません。参照資産、ノックイン条件、分配原資、流動性を普通の株式ETFとは分けて確認する必要があります。