米国米サービス景況感・成長の鈍化と物価圧力を分ける
DAILY MARKET DIGEST
今日の株クラ
2026年10月5日・月曜日日本時間10月6日に確認
FEATURED POSTS
米国の注目投稿
UNITED STATES
米国株クラ
4投稿日本語訳
いま、債券ETFのおよそ50%が過去1年のリターンでマイナスになっています。2022年のFRB利上げ時には遠く及びませんが、その割合の上昇はかなり急です。しかもこれは名目リターンで、もちろん実質リターンはもっと悪くなります。それでも、債券市場の急な変化と出来高の増加にもかかわらず、ETFの裁定取引の価格差は狭い範囲に収まり、プレミアム・ディスカウントの問題は起きていません。追加のストレスにうまく対処しています。かつて債券ETFを心配していたメディアでは、おそらくこのことは読めないでしょう。だから私たちは指摘しておきたいのです。情報元:Athanasios Psarofagis。
解説
債券ETFが値下がりすることと、ETFの売買の仕組みが壊れることは別です。投稿の図は、過去1年のリターンがマイナスになっている債券ETFの割合を示しています。約50%とは、債券ETFの平均損失が50%という意味ではありません。保有する債券の価格が下がればETFの価値も下がるため、価格下落だけでは商品の機能不全とは言えません。 もう一つ見るべきなのが、市場でのETF価格と、保有資産から計算する1口当たり純資産価値(NAV)の差です。指定参加者と呼ばれる業者は、資産のまとまりとETF口数を交換する設定・解約を使い、両者の価格差を取る取引ができます。この取引が割高なETFの供給を増やしたり、割安なETFを買い戻したりすることで、価格を資産価値へ近づけます。SECの投資家向け説明も、この裁定の役割を示しています。 次に債券ETFの急落を見るときは、「債券自体の値下がり」と「ETF価格の資産価値からの乖離」を分けて確認すると、何のリスクが表面化したかが分かります。前者が大きくても、後者が小さい状態はあり得ます。約50%の集計と現在の裁定状況は投稿者の観測で、対象ファンド全数や価格差の系列を独自に再計算したものではありません。 参考:SECのETF投資家向け説明 https://www.investor.gov/introduction-investing/general-resources/news-alerts/alerts-bulletins/investor-bulletins-24
日本語訳
1990年代後半の「ニューエコノミー株」と「オールドエコノミー株」を思い出します。 少数の銘柄が指数を動かすという、1990年代後半と同じような狭い市場さえ見られます。 当時は、オールドエコノミー株の企業がニューエコノミー株の企業の顧客だったことに気付く人は少なかった。今日は、電力網の容量が足りなければデータセンターを動かすのは難しいということに気付く人が少ないのです。
解説
AIへの設備投資が増えても、経済のあらゆる設備投資が同じ方向に動くとは限りません。添付図は、2023年12月を基準にした民間建設支出の変化を、データセンターとそれ以外に分けています。季節調整後の図では前者が増え、後者が減っています。これは基準時点からの金額差であり、データセンターの支出総額が他の建設全体より大きいという図ではありません。 投稿の着眼点は、伸びる産業が周囲の設備や顧客から独立しているわけではないことです。データセンターは建物と計算機を用意するだけでなく、電力を継続して受け取る必要があります。米エネルギー省が紹介する2025年更新の推計では、データセンターの電力消費は2030年に米国全体の11.8%となる中心シナリオがあります。これは需要の推計で、同量をどの地域へ供給できるかの保証ではありません。 次にAI設備投資の発表を見るときは、投資額と並べて、受電開始時期、接続できる容量、送電設備の工期を確認すると、「注文された設備」が「稼働して売上を生む設備」へ変わる条件を考えられます。図の建設支出系列は投稿の表示を読み、全期間の再集計はしていません。1990年代との類似は投稿者の比較で、同じ株価推移を予測する根拠ではありません。 参考:米エネルギー省のデータセンター資料 https://www.energy.gov/powering-americas-ai-future-data-center-resource-hub
日本語訳
欧州に波及リスクが戻っています。ただし、14年前とは様相が違います。 周辺国から始まるのではなく、圧力がかかっているのは、まさに中核にあるフランスです。 ここ数週間のフランス国債利回りの急上昇がユーロの重荷になっており(下のCNBCのチャート)、ECBが直面する政策課題をさらに増やしています。 #経済 #市場 #ユーロ #ユーロ圏 #外国為替 #債券 #利回り
解説
金利が上がれば、その通貨も必ず強くなるとは限りません。投稿はフランス国債の利回り上昇とユーロの弱さを結び付けて見ています。添付図はユーロ・ドルの1年間の推移で、表示時点では1ユーロ=1.1204ドルです。高い利回りが成長や金融引き締めを映す場合と、借り手への不安を補うために要求される場合では、通貨を持ちたい理由が変わります。 ユーロ圏は一つの政策金利を共有していても、各国政府の借入金利は同じではありません。国債への不安が金融機関や企業の調達条件へ広がれば、ECBが決めた政策の効果も国ごとに変わり得ます。ECBが設けたTPIは、経済の基礎条件に照らして正当化されない無秩序な市場の動きが政策の伝達を脅かす場合に備える仕組みです。単に国債利回りを一定水準へ戻すための制度ではなく、適格条件があります。 次に「高金利なのに通貨安」を見るときは、同じ通貨圏の他国債との利回り差、信用への不安、金融政策の見通しを分けると、利回りの数字の意味を読みやすくなります。フランス金利がユーロ安を招いたという因果判断は投稿者の見方で、この為替チャートだけから証明できるものではありません。 参考:ECBのTPI導入説明 https://www.ecb.europa.eu/press/pr/date/2022/html/ecb.pr220721~973e6e7273.en.html
FEATURED POSTS
日本の注目投稿
JAPAN
日本株クラ
4投稿解説
銀行の貸出金利が上がっても、それだけで融資の採算が改善したとは言えません。投稿の2枚の図は、新規貸出金利の上昇と、貸出金利から中期国債金利を引いた差の縮小を示しています。国債で得られる利回りが上がると、銀行は「企業へ貸して得る収益」を、別の資金運用先と比較することになります。 企業への融資には信用損失の可能性や審査・管理の費用があります。国債との利回り差が小さくなれば、そうした負担を引き受けるために、融資金利や条件を見直す動機が生まれます。これは貸出金利の水準だけでなく、「何と比べて高いか」が重要になる仕組みです。一方、銀行の実際の利益は預金などの調達費用にも左右され、図の差はそのまま利ざやではありません。 日銀の8月統計では、国内銀行の新規・長期の貸出約定平均金利が1.999%、既存残高を含むストック・長期が1.424%です。新しく貸す条件が変わっても、既存融資の平均へ一度に反映されない点が読み取れます。次に銀行決算を見るときは、新規金利、既存残高の金利、調達費用を分けると、金利上昇がいつ収益へ届くかを考えやすくなります。国債にも価格変動があり、図の単純な比較は期間や融資構成の違いを調整したものではありません。 参考:日本銀行の貸出約定平均金利 https://www.stat-search.boj.or.jp/ssi/mtshtml/ir04_m_1.html
解説
指数が大きく上がることと、多くの銘柄が連日上がることは別です。投稿の表では、10月5日の日経平均は前日比1,637.40円高ですが、25日騰落レシオは92.38、6日は66.39です。騰落レシオは一定期間の値上がり銘柄数の合計を値下がり銘柄数の合計で割り、100を掛ける指標です。25日の92.38は、その期間の集計では値下がりの延べ銘柄数が値上がりを上回ったことを意味します。 日経平均は225銘柄の株価に換算係数を掛け、合計を除数で割って計算します。値動きの寄与が大きい銘柄の上昇で指数が押し上げられる一方、騰落レシオは上げ下げした銘柄の数を数えます。さらに、当日の指数変化と25日間の延べ数では観察する時間も違います。この二つの違いがあるため、数字は矛盾せず並び立ちます。 表の当日の値上がり863、値下がり634だけを比べれば、上昇した銘柄の方が多い日です。それでも過去を含む25日の指標は100を下回ります。次に指数の急伸を見るときは、当日の上昇銘柄の広がりと、数週間の蓄積を別々に確認すると、一日の反発を市場全体の継続的な強さと取り違えにくくなります。数値は投稿の表によるもので、全25日の銘柄別集計は再計算していません。 参考:野村證券の騰落レシオ説明 https://www.nomura.co.jp/terms/japan/to/torakuratio.html 日経の株価換算係数説明 https://indexes.nikkei.co.jp/atoz/2022/04/paf.html
解説
IDECの業績修正は、売上増だけでなく、利益の残り方が改善する予想です。会社の10月2日の開示では、2027年3月期の売上高予想を755億円から850億円、営業利益を72億円から94億円へ引き上げました。前回予想比で売上は12.6%増、営業利益は30.6%増です。投稿の16.5%増・53.6%増は前期実績との比較なので、二つの比較を混同しないことが出発点になります。 営業利益率を計算すると、前回予想は72÷755で約9.5%、修正後は94÷850で約11.1%です。売上が増えた分に比例するだけでなく、売上1円から残る営業利益も増える見込みです。会社は半導体、ロボット、工作機械関連などの需要が日本・中国を中心に堅調で、増収効果によって収益も想定を上回ると説明しています。製造業では売上が増えると、固定的な費用をより多くの売上で負担できることが、利益率を改善する一つの仕組みになります。 次に上方修正を見るときは、売上と利益の修正率を並べ、利益率も計算すると、「規模が増えた」のか「採算も良くなった」のかを分けられます。さらに需要の分野・地域まで見ると、AIという広い言葉を具体的な受注先へ落とせます。ここでの利益率は会社予想からの計算で、実績ではありません。各要因の寄与額までは開示されていません。 参考:IDECの業績予想修正 https://www.idec.com/api/asset/ja/5oVqYc79dJkTTDetapNCOU/PR20261002.pdf
解説
配当の上限は、会社がその年にどれだけ稼いだかだけでは決まりません。日本M&Aセンターホールディングスは、2024年12月と2025年12月の中間配当が分配可能額を超えていたと開示しました。超過はそれぞれ約0.72億円と約8.33億円です。「8億円」という投稿の数字は大きい方の年度の額で、2年分の合計とは区別します。 会社の説明では、分配可能額は直近の事業年度末の剰余金を基礎に、期末配当などを控除して計算します。保有する自己株式の帳簿価額も控除対象です。その後に稼いだ利益を取り込むには、臨時計算書類の作成・承認が必要です。手元の現金や最新の利益が十分でも、必要な計算と手続を経ずに配当できるわけではない、という点がこの開示の核心です。 次に大きな配当や自社株買いを見るときは、利益・現金の余力に加え、分配可能額と決議時の確認体制をチェックすると、還元の持続性を別の角度から評価できます。会社は株主へ返還を求めない「予定」とし、第三者委員会の設置と次の中間配当・還元策の再検討を示しています。返還しないことや次回配当が既に確定したと読まず、今後の調査・決定を待つ必要があります。 参考:日本M&Aセンターの10月5日開示 https://www.nihon-ma.co.jp/ir/pdf/261005_information.pdf
日本語訳
9月のISMサービス業PMIは54.9に低下しました。予想は55.0、前月は55.4でした。新規受注は前月の60.9から59.8に低下、雇用は前月の47.8から50.1に上昇、支払価格は前月の72.6から74.0に上昇しました。
解説
サービス業の勢いは少し弱まりましたが、縮小へ転じたわけではありません。ISMの公式発表でも、9月の総合指数は54.9、新規受注は59.8で、拡大と縮小の境目となる50を上回っています。一方、雇用は47.8から50.1へ戻り、支払価格は74.0へ上がりました。「景況感が低下した」という一つの見出しに、需要、採用、仕入れ費用の異なる動きが隠れています。 この指数は企業への回答調査で、売上の成長率や物価上昇率そのものではありません。支払価格74.0は価格が74%上がったという意味ではなく、前月より高い価格を報告する回答が優勢だったことを表します。需要が拡大しながら費用も上がると、企業は価格転嫁か利益率の圧迫に直面します。需要の伸びだけを見る場合より、中央銀行にとって景気と物価の両立が難しい状況です。 次にPMIを見るときは、総合指数の前月差に加え、新規受注、雇用、支払価格を横に並べると、「成長は続くが勢いが落ちた」のか、「費用だけが強い」のかを判断しやすくなります。今回はその二つが同時に見える組合せです。予想55.0は投稿者の比較値で、調査結果とは区別します。 参考:ISMの9月サービス業公式発表 https://www.ismworld.org/supply-management-news-and-reports/reports/ism-pmi-reports/services/september/